【キャリア】30代後半の金融サラリーマンが個人事業主として税理士を目指すことを諦めた理由
金融やお金に関する独立・個人事業主の士業として有名なのは「税理士」ですよね。
事務所を開業して独立している税理士の方々は、年収も高く、節税もうまくやっている印象があり、独立する道としては魅力的に感じる方も多いと思います。
かくいう自分も、金融系のキャリアということもあり、また、働き方・キャリアの選択肢として今のサラリーマンではなく、個人事業主を目指したい、という強い思いもあり、税理士の道へ進むことを真剣に考えました。
ですが、結果として、30代後半の自分にとっては、税理士は取り得る(取りたい)選択肢ではないとの結論に至りました。
今回は、その過程で考えたことを「30代後半の金融サラリーマンが個人事業主として税理士を目指すことを諦めた理由」として記事にしましたので、参考にしていただけると幸いです。
30代後半の金融サラリーマンが個人事業主として税理士を目指すことを諦めた理由
試験の難易度が相当に高い
言わずもがなですが、税理士試験は難易度が高く、合格率も20%を切る水準であることが多いです。
また、必要な勉強時間は4,000時間とも、多い人では6,000時間とも言われます。
そのため、サラリーマンが取得を目指すには、いつもの仕事をしながら相当な勉学時間を確保することが必要になってきます。
家族もいる方にとってはかなりの我慢や努力が必要ですよね…
それを継続的に実現していくには、「絶対に税理士になりたい!」という強い意志と、高いモチベーションが必要になります。
そしてこれは、自分の動機がある意味不純だったせいでもあるのですが、純粋に「税理士になりたい!」と強く思っていたわけではなく、「自分の裁量が多い個人事業主になりたい。その選択肢として税理士がある!」ぐらいにしか思っていなかったので、とてもモチベーションが続かないな、と考えてしまい、資格取得に踏み出せませんでした。
資格取得しても実務経験がモノを言う世界
甘い考えと言われてしまえばそれまでなのですが、30代後半から色んなことを犠牲にして苦しんで税理士になったら、その後はある程度収入や時間的にもゆとりがほしくならないでしょうか?
一方で、税理士の資格を取ったからと言って、税理士としてはペーペーで右も左もわからない状態。
最初はどこかの事務所などにお世話になって、新人のようにイチから業務を覚えて…というの少なくとも数年は続きます。
40代からの税理士資格者の転職でも実務経験が左右する世界と聞きますので、資格取得に数年、取得後も一人前として活躍するまでに数年(場合によってはもっと)、と考えると、あまりに果てしなく感じてしまい、これも一歩踏み出せない要因となってしまいました。
書類作成などの事務的な仕事が多い
実際に税理士さんの仕事もよくわかっていない立場で怒られてしまいそうですが、税理士の仕事の内容として、書類作成などの事務的な仕事も相応に多いと思います。
当然、それだけではなく、アドバイザー的なコンサルフィーをもらうような仕事もあるかと思いますが、それこそ、相応の実務経験を積まないと難しいのではないかと。
加えて、DXの進展やAIの発達により、単純な業務、事務的な業務に関する需要は減っていくことも想定されます。
となると、数年かけて資格を取って、また数年かけて新米税理士になって書類実務ができるようになる頃にはそれを"人がやる"という需要は減っている。
さらに、コンサルや交渉などの高度な業務は"人がやる"需要が残ると思いますが、それには実務経験が必要…
と考えてしまい、長い努力の果てに迎える状況としては、なかなか厳しいなと思ってしまった次第です。
季節労働のため自己裁量で働ける余地が減る
元々わたしの税理士を検討した目的が、「個人事業主になってある程度自分の裁量・スケジュールで働きたい」ということにありました。
一方で、これも税理士さんの仕事を知らない分際で怒られてしまいそうですが、税務申告や会社の決算時期は決まってしまっているため、クライアントを持つとそれだけスケジュールに関しては自己裁量で働ける余地が減ってしまいます。
これも、最終的に自分が目指したい働き方のイメージとは合わず、断念してしまった理由のひとつです。
以上になりますが、今回はいつもに増して、個人的な意見が満載なので、反論も多数あろうかと思います…
ただ、税理士になるということはそれだけでも大変ですし、30代後半から目指すにはなってからの苦労も含めて考える必要があり、なかなか甘くないな、と気づいた部分もありましたので、少しでも共感いただけたら幸いです。
以上、「30代後半の金融サラリーマンが個人事業主として税理士を目指すことを諦めた理由」でした。